君を夏の日に例えようか
あなたを夏の日にたとえようか
あなたはもっと素敵で穏やかだ。
強風は5月の可憐な蕾を揺らし、
夏の間借りの命は短かすぎる。
天の目は時に暑く照りつけ、
あなたの黄金の顔が暗く翳るときが多い、
美しいものはみな衰える、
偶然にか自然の流れに沿ってか飾りを剥ぎ取られて。
だがあなたの永遠の夏は色あせないし
その美しさも消えることはない。
死神にあなたが死の影をさ迷っているとは言わせない、
永遠の詩に歌われて時と合体するのだから。
人が息をし目が見えるかぎり、
この詩は生きてあなたに命を与え続けるだろう。
有名なシェイクスピアのソネット第18番である。夏といえば、私はこの詩を想起させる。
唸るように暑い日が続いて、気がつけば梅雨のことなどつゆしらず。()
あっという間に夏が訪れたわけだが、夏が来るたびにこの詩を思い出さずにはいられないのだ。
はじめてこの詩を読んだ時、なんて素敵な詩なんだろうと、当時付き合っていた彼女(流行に乗るのならアモーレ)に対してもこんな詩を送りたいと考えていた中2の頭の僕。(当時大学3年だったが笑)
生命に富み、若々しさを感じさせる夏のイギリスのある1日をある人と比較して、若さ、美しさ、どちらをとっても君の方が素晴らしいよ!わたしのアモーレ!(イギリスではダーリン?)
君の美しさは、この詩の中で永遠を与えられたのだ。この詩が人々の心の中で生きていく限り、君の美しさも滅びることはないんだ。
しかし、この歌は愛する、恋する女性に歌われたものではなく、ある青年にむけて歌われたものである。
ときには真理を知らない時の方が、ロマンチックなこともある。
そう2年前の僕は感じたのだ。